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3.  顔面部の違和感 痙攣 三叉神経痛に対する鍼灸治療
 
・ 顔面部の つっぱり感 や自然に表情を作れない、ふとした場面(食事中や会話中)での顔面部の違和感、痙攣における当院での鍼灸治療を述べたい。
 
頬部に生じる場合や額部に生じる場合、原因は実に様々である。
治療については、細く短い鍼での置鍼術が最も効果的であると日々感じる。 
 
また、原因のわからない本態性ジストニア(顔面部)の場合には脳-顔面間の混線と表されることがあるように、非常に繊細なものであることから、強い刺激は避けたいところである(小さな手で細やかに解いていきたいと存ずる故)。
 
下記の美容鍼灸の刺鍼方向とは異なり、直刺を行う。また、全身の緊張を解きほぐす鍼治療が必要である。
東洋医学における「肝の病」と捉えられる場合が少なくない為、併せて「疏肝」などの治療を行うと非常に良い効果を得られる。
 
・ 三叉神経痛とは片側の顔面部に数秒 〜 長くて数十秒の痛み(激しい痛み)が生じるもの。
 [三叉神経]とは顔の感覚を脳へ伝える神経であり、三叉神経痛の原因は脳である場合や、蛇行した血管が神経に触れることで生じると言われている。似た症状を生じる区別するものとしては、非定型顔面痛や副鼻腔炎、帯状疱疹後の痛みなど。
 
 三叉神経痛には様々な誘因があり、洗顔や歯磨き、食事。また、触れることで痛みが生じるという場合も(寒い時期に多い)。
治療には、薬物療法 ブロック療法 放射線治療 手術治療などがある。
 
鍼灸治療では、神経の走行部へ細い鍼を刺入し置鍼を行う。鎮痛、筋緊張緩和を目的とし、また東洋医学的な観点から、手足に著名な反応がある場合にはその部位へ刺鍼を行うと良い。
 顔面の違和感、痙攣と共に、鍼灸治療が有効な症状であると日々感じている次第である。

4.  美容鍼灸における報告
 
 当院での美容鍼灸には、セイリン 鍼  J 15 No.03 (0.10) × 15 mm を用いる。
顔面部へ刺入する本数は30本、もしくは60本である。加えて頭部、足部、前腕部へ置鍼術を行う。
 
 ・ 当院では微弱な電気を流す鍼通電や、100本を越える鍼を刺入する美容鍼灸は行っていない。
鍼通電を行うには相応の鍼の太さが必要である為、出血のリスクなどを考えると、顔面部への刺鍼は細い鍼を用い丁寧に行うのが有意であると私は考える。
 
・ 主訴は、フェイスラインや頬のたるみほうれい線が目立つ、というものが最も多い。
 
上記の主訴であれば、刺鍼方向は一般的な直刺(皮膚面に対し垂直)ではなく、斜刺にて上方向への刺鍼を行う。引き上げながらの刺鍼となり、リフトアップ効果を目的とする。
頬への刺鍼が重要であると考えるが、側頭部への刺鍼もかなり重要度が高い。
顔面部の上方向への刺鍼後は側頭部(こめかみ付近)への刺鍼を忘れてはならない。
 
・ 当院では施術直後のリフトアップ効果もさる事ながら、乾燥や肌のきめ細やかさ、化粧のりの有為さを証言される患者様が多い(ファンデーションの減りが遅いなど)。
これは、微小な傷によりコラーゲン、エスラチンの生成促進が効果的に働いたものである。
今後も研鑽に励み、より良い、丁寧な美容鍼灸医学を提供していきたいと考える。